創業明治26年より
京都市中京区にて電気設備工事 
を通じて明るい社会づくりを目指しています。

 

第34話 悪いことは出来ませんなあ・・・


  今回も当社100年史からの話題です。のんびりした時代の話ですが、
 仕事の骨休みにお読み下さい。

  大正12年の話です。当時、当店では配電盤の組み立てはほとんど
 外注していたのですが、珍しく店で組み立てて納めたことがありました。
 丁度、襖1枚分位の大きさの低圧盤で夜業して突貫で納めたようです。

  注文主はなんと四国の山村の方で、どんなつてがあって当店へ注文
 されたのかは不明です(今なら、インターネットでの工事依頼が遠方から
 あるのですが・・・)。その方は初めてのご依頼で、手付金を頂き、無事
 先方へ納品したのです。

  さて、しばらくしても残金が頂けなかったので、創業者吉之助はしびれ
 を切らして、とうとう先方まで集金に行くことにしたのです。

  大阪商船(今の関西汽船)の夜便で行き、とりあえず道後へ行き、道順
 を尋ねかたがた温泉へでも・・・とウロウロしていると、「やあ、これは珍し
 い所でお目にかかります、どちらへお越しで・・・」と声をかけた人が居る。
 その人は配電盤を注文した人だったのです。

  「私はあなたに会って残金をもらおうと、わざわざやって来たのです。
 丁度良かった、これからあなたの所へ行きましょう。」
  「いや、ちょっと待って下さい、それは困ります。当方のような山の中へ
 見知らぬ人が来たのでは、借金していることが一遍に村中にばれてしま
 う。何とかその義ばかりは、しばらく待って下さい。必ず金策してお渡しし
 ますから、こちらへ来るのだけは勘弁して下さい。その代り、2〜3日この
 温泉に泊まって待って下さい。宿の払いは私がしますので・・・」と平身低
 頭で頼まれます。

  創業者は、性格も穏かで、温泉も嫌いな方ではなかったので、先方の
 立場も考えてそれならと中止し、「きっと、たのみますよ」と言って、宿へ
 送りこまれたのでした。待つこと2〜3日、残金を無事受取った吉之助は
 意気揚々と帰京したのでした。

  「悪いことは出来ませんなあ。あんな所でバッタリ出会うとは。先方も、
 温泉へ遊びに来たと勘違いして、向こうの方から声をかけたりして。先方
 の村の中でなら、ハハーンと感づいてそっと逃げるところやのになあ・・・」
 と事の次第を家族にも親しい人にも何度も話していたようです。

                             (第35話をお楽しみに・・・)
  
 


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