創業明治26年より
京都市中京区にて電気設備工事 
を通じて明るい社会づくりを目指しています。

 

第33話 図面や事務のこと


  今回も当社の100年史からの話です。同業者或は関係者以外の方々に
 は少し専門的なお話かも知れません。我慢してお読み下さい。

  明治、大正そして昭和の初めの頃は今では当り前の施工図や竣工図
 を1枚も画かなくて良かったようです。又、発注者からの要求もなかったとい
 います。お役所の仕事でも、見積りの図面か、契約の図面(いわゆる設計図)
 だけで万事OKとされ、実際に施工に当っても何の不都合もなかったのです。

  施工に当ってはチョークを1本持参して、先方と当方と2〜3人が集って、
 現場に印をつけ、その通りに工事をやれば良かったのです。昔の工事はそ
 れほど簡単だったことにもよります。ただし、一旦施工した後から都合でちょ
 っと変更してくれ、と言われることもままあったようですが、少々のことはサ
 ービスで施工し直したのです。当社の京都府庁(大正年間)、沖縄放送局
 (昭和19年)などの大きな工事でも、施工図や竣工図は一度も画いていま
 せんでした。戦前唯一画いたのは、日赤京都支部第一病院(昭和7〜9年
 頃)の工事でした。

  昔は地元の同業者では、おやじさんの他に、監督や事務員合わせて2人
 居るという店はそうそう無く、たいていは電話番兼留守番兼事務員が1人
 という店が多かったのです。その代り、図面や事務は不得手だが、工事な
 ら任せてくれ、という電工が1人か2人居て、現場を全て取り仕切っていた
 のです。

  100年史の著者、先代社長の山科吉三によると、当店でも図面を引いて
 いたのは先代と先々代の2人、事務員が1人か2人、それで間に合っていた
 といいます。又、先代はこのように記しています。”カラス口で引いた古い図
 面を時々引っ張り出して見ていると、今日の図面とはちょっと引き方が違う
 かも知れない。今の若い人が褒めてくれるかどうか、ちょっと気がかりであ
 る・・・・、”と。

  今は何でもパソコンで作成します。図面一つとっても、時代の大きな変化
 を感じさせられます。

   ※施工図・・・設計図では詳細な位置や他との取り合いなどが不明であるので、図面を
            拡大し、設計図に位置、寸法などを詳細に記載し、現場施工しやすく画いた
                       図面のこと。

   ※竣工図・・・設計図が計画図であるのに対し、実際に施工した通りに画き直した図面の
            こと。竣工検査、引渡しの時(時により引渡し後)に提出を求められる。
                    

                             (第34話をお楽しみに・・・)
  
 


Copyright(C) 1999-2012 YAMASHINA ELECTRIC CONSTRUCTION Co.,LTD